訪花害虫
「訪花害虫」って聞いたことありますか?
ミカンの花が咲くころ、花の花粉や蜜を目当てにやって来る昆虫の総称です。コアオハナムグリやヒメヒラタケシキスイが訪花害虫にあたります。
コアオハナムグリ ヒメヒラタケシキスイ


どちらの訪花害虫も蜜を吸う時に鋭い爪でミカンの赤ちゃん(子房)を傷つけます。その傷がミカンが成長した後も果実に線状の跡として残り、商品価値を下げてしまうんです。
温州ミカンよりも花粉の多い中晩柑に被害が多く出ます。
対 策
開花5分咲き~満開のころに防除で対策します。ただし、この頃はミツバチなどの昆虫も受粉のため飛来しているので、なるべく影響を与えないように心がけます。
訪花害虫防除の農薬
・ ロディー乳剤・・・コアオハナムグリなどのハナムグリ類に効果的。毛虫にも有効。
・ ダントツ水溶剤・・・ヒメヒラタケシキスイなどのケシキスイ類に効果的。
・ エクシレルSE・・・訪花害虫全般、チョウ類に効果的。ミツバチへの影響が少ない。
当園では、エクシレルSEで防除しました。エクシレルSEは希釈倍率5000倍です。農薬を5000倍に薄めて使用します。
計算方法 例 エクシレルSE 100ミリリットル に対して 水 500リットルです。 (100ml×5000倍=500,000ml 500,000mlは500l)
カメムシ
令和6年、当園のミカンの収穫量は例年の収穫量の3分の1ほどでした。

長い間ミカンを作ってるけど、こんなに量が無いのは初めて
農協が災害認定するほど、愛媛県全体的に収穫量が少ない年でした。
原 因
・ 気 候・・・夏の猛暑や干ばつにより、生理落下が進んだ。
日焼けなどによる品質の低下が起こった。
・ カメムシの異常発生・・・カメムシが果汁を吸うことにより、生理落下が起こった。
果実が硬くなり品質の低下を招いた。
主な原因は気候とカメムシだと言われています。
世界には45,000種のカメムシがいるそうです。日本では1,400種類が確認されています。近年、そのカメムシが大量発生しています。カメムシはミカンの天敵です。
「カメムシのおしっこが目に入ったら失明する」と言われるほど、人間にとっても害のある昆虫です。
では、なぜ異常発生しているのでしょうか?
・ カメムシの幼虫の餌となるスギ・ヒノキの実が豊富にある
幼虫はスギとヒノキの実しか食べません。その実が豊富にあることで、より多くの幼虫が成虫へと 育つことが出来るというわけです。
「今年は花粉が多いです」と毎年のようにニュースで聞きます。これはスギやヒノキの実が多いということを意味します。カメムシの成長にとても良い環境だということです。
・ ほとんどのカメムシの寿命は1年です。寒くなると死んでしまうはずのカメムシが、近年の暖冬により越冬し、春になると活動を活発化させ繁殖して卵を産みます。その子供たちが夏前ころ出てきます。1年間に2度卵を産むカメムシもいます。カメムシは1~3か月で親になるので、どんどん増えていきます。
このようにして、カメムシの大量発生へとつながります。
愛媛県・高知県・長崎県・栃木県・三重県など多くの都道府県で「カメムシ注意報」が出ています。
なんと宇和島市の隣の町では、例年の29倍以上のカメムシが観測されたそうです。
対 策
・ カメムシは畑の周辺の雑草で繁殖して作物のある畑に移動してきます。畑周辺の草刈りをして住処を無くす。
・ 殺虫剤を散布する。消毒はカメムシが園地にいる瞬間を狙って散布しないといけません。
カミキリムシ


この虫ご存知ですか?カミキリムシです。カミキリムシは種類が多く、日本で確認されているだけでも800種類以上いるそうです。
カミキリムシは幹の元を削り、木の中に卵を産みます。卵から孵化した幼虫は木の中を食べて成長します。
カミキリムシの産卵期間は6月~10月ころ。卵を産んで孵化するまでは1週間ほどです。その後幼虫の期間は1~2年間、寿命は成虫になって数週間~2か月ほどです。
木くずが落ちていたら、カミキリムシがきた証拠。木の中に卵を産んでいないか、針金などの細い物を穴に突っ込み、削られた後をゴシゴシして幼虫がいないか確認します。幼虫がいたら木から出します。
カミキリムシは木に円い穴をあけ、木を枯らしてしまうこともあります。何年も何十年もかけて育てた木を枯らされてはたまりません。カミキリムシを見つけたらすぐにやっつけてください。
対 策
・ 幹が草で覆われないように除草をしましょう。
・ 殺虫剤を散布する。
カネタタキ

カネタタキご存知ですか?一見コオロギのように見えます。
6月~7月上旬に幼虫に、8月下旬ころまでに成虫になります。
8月~9月に最も園内で見かけるようになります。
「チン チン チン」と鳴き、その鳴き声が鐘をたたく音に似ているというところから「カネタタキ」と名づけられました。
果皮を舐めるように食害し、果皮に傷をつけます。
ミカンの摘果をしていると、ミカンが重なり合っている(ブドウのようになっている)部分に隠れているのを見つけてしまいました。
対 策
枝が重なり合ったり、太陽が当たらない場所を好むので
・ 剪定を徹底する。
・ 果実がブドウなりにならないように摘果をする。
まとめ
ミカンに影響を及ぼす病害虫はまだまだいます。
できる限り消毒が少なくて済むように、園地の管理を心掛け、美味しくて安全なミカンを作る努力をしています。



コメント