今年の剪定

みかん農家の日々

令和7年のミカンは、令和6年が不作だったことから豊作で小玉傾向だと予想されていました。実際、梅雨が短く雨量が少なかったことから小玉傾向でした。

が、初夏の気温の上昇により自然落下が起こり、高温が続いたことにより果実の肥大化が進み大玉傾向になっていきました。

摘果をした園地は果実の量を減らしたため、残した果実の肥大化が更に進みました。

農家のおじさん
農家のおじさん

夏場の暑い中頑張って摘果をした農家は大玉になってしまい、無摘果の農家が儲けた・・・やっとれんなあ…😿

ミカンの値段は大玉になるほど安くなってしまいます。

当園のミカンも例年ならS~M玉が主流ですが、今年はL玉が多くなりました。

例年だと果実が生っていない木が大玉傾向となるのですが、今年はなぜか収穫量が多いのに大玉傾向でした。

令和7年産は全国的にミカンが多かったそうです。

令和7年産が豊作だったということは、令和8年産は不作が予想されます。以前も記載しましたが、果樹は隔年結果を起こします。

令和8年は少雨予想であるため、予想以上に着果率が低いのではないかと不安に思ってしまいます。

摘果作業の目的と摘果ミカンの活用法

温州ミカンの剪定

昨年たくさん生った木は樹勢が弱ります。弱らないように肥料を撒くのですが、どうしても翌年は着果数が減ります。1年間の農作業

そのため着果する枝を残すように意識して剪定をします。剪定をし過ぎると、発芽量が増え着果量が減ります。芽に栄養が行き、果実に栄養が回らなくなります。

雨量が少ない今年の剪定は、樹勢の回復を優先し、剪定は焦らないように注意します。

1.樹冠内部に太陽の光が入るように、混み合った枝を剪定します。

 樹冠の内部まで光が入ると光合成が活発になり、着果の促進を促します。また、甘くて美味しいミカンが生ります。

2.上向きの果梗枝や重なった枝を剪定します。

 果梗枝とは、昨年実を付けた枝のことです。果梗枝は今年は実を付けにくいからです。

3.下向きの下垂枝は切らないようにします。

 下垂枝とは字の如く、下に垂れ下がった枝のことです。下垂枝を切る剪定方法を良く目にするかもしれません。剪定方法は、木の樹勢や何を目的に剪定するかによって異なります。今年の当園の剪定方法は、着果を目的にしているため、下垂枝を残す剪定方法を行います。

下垂枝を残す剪定

・着果量を増やし、糖度の高い高品質の果実の生産を目指す剪定方法です。

 垂れ下がった下垂枝は養分の流れが緩やかで枝や葉に過分な栄養が行きづらいため、花を付けることに栄養がまわります。その結果、小玉傾向で甘いミカンが生ります。

・下垂枝は物理的に植物ホルモンの促進を促し、樹勢を良くする傾向にあります。(下記で説明)

・木が上に伸びるのを抑えます。

 木が上へ上へと伸びると収穫に手間がかかるだけでなく、果実も日焼けをしたり皮が厚くなったりと品質が低下します。

下垂枝を切る剪定

・樹勢の回復を目指す剪定方法です。

 下垂枝は地面に近いので病原菌が発生し易い場所です。風通しを良くすることで木を健康に保ちます。

いずれの剪定方法でも、混み合っている箇所は間引いて風通しや日当たりを良くする必要があります。

4.木が混み合った園地は間伐をし、1本1本の木に光が当たるようにします。

 間伐とは混み合って植えられている木を切ってまばらにすることです。

私

木を伐採すると収穫量が減るように思いますが、今まで混み合っていたためにヒョロヒョロと上に伸びていた木がどっしりと横に枝を伸ばすようになります。それによって光が全体にあたり、着果量が増えて果実の品質も上がります。密植(混み合って植えられている状態)は、百害あって一利なし。思い切って伐採しても心配ありません。

植物ホルモン

私

植物ホルモンって何?今まで考えたことも無かった

ミカンの生育や品質にはシベレリン・オーキシン・エチレンという3つの植物ホルモンが大きく関わっています。

シベレリン・・・成長促進、果実の縦肥大や果皮の厚みに作用する働きがあります。

 枝が下に垂れ下がると、シベレリンが抑制され、着果がされやすくなります。また、果実が肥大し過ぎず、皮が薄く甘いミカンができます。

 このシベレリンが過剰に働くと隔年結果が生じます。高品質なミカンを作るには、夏以降のシベレリンの働きを抑制する必要があります。

オーキシン・・・根の成長、果実の横肥大、落下防止に作用する働きがあります。

エチレン・・成熟促進、果実の落下や着色に作用する働きがあります。

 20度以上の高温下ではエチレンの発生が鈍くなるため着色不良となります。令和7年度産のミカンの着色が遅かったのは、暖冬によりエチレンの発生が鈍かったためです。

まとめ

剪定方法は、木の樹勢、気候等によって異なります。

今年の当園の剪定は着果を目的とし、隔年結果を抑えることを目標とした剪定です。花が付くのを確認してから軽めに剪定します。

剪定と摘果は植物ホルモンによる隔年結果と品質向上にとても大切な作業です。いよいよ令和8年産のミカンの栽培が始まりました。

今年も美味しいミカンがお届けできるように頑張ります。

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